みなさんは、タバコを誤飲するととても危険だとご存知でしょうか?
誤飲が多くて目が離せない子供だと約タバコ1/2~1本の本数分(10~20mg)のニコチンで致死量になり、大人でも実はタバコ2~3本の本数分(40~60mg)くらいが致死量になります。
タバコの誤飲はすぐに対処しないと死亡してしまう危険性がありますので、これからタバコの誤飲と対処法について詳しく解説していきます。
タバコを誤飲!致死量になるのは何本から?
もしかすると、「大人なら少しくらいタバコを誤飲しても大丈夫だろう」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実は、大人でも多くてタバコ3本分で致死量になってしまうのです。そうなると当然大人と子供では、体格や臓器の発達が全然違うので致死量も変わってきます。
これから大人と子供でどのくらい違うのかご説明していきます。
大人と子供でどのくらい致死量が違ってくるのか?
大体市販のタバコ1本分の中には、16~24mgのニコチンが含まれており、だいだい大人の致死量のニコチンが40~60mg(約タバコ2~3本くらいの本数)子供の致死量が10~20mg(約タバコ1/2~1本くらいの本数)と言われています。
ニコチンの毒性は非常に強くとても危険で、タバコを食べてしまった場合すぐに対処しなければ命にかかわってしまいます。ただ、通常はニコチンが吸収され始めるとニコチンの催吐作用により飲み込んだタバコを吐き出してしまうので過度に吸収されず重篤な症状が現れるのは稀です。
タバコの誤飲で最も恐ろしい浸出液について
空き缶などに水を入れた状態の中にタバコを入れていて出来た高濃度なタバコの浸出液を誤飲してしまった場合には、ニコチンの吸収率が早くすぐに致死量に達してしまうため5分以内で死亡すると言われています。
そのため、タバコそのものを食べてしまうよりもニコチンが溶けてできた浸出液は、大人も子供も関係なく本当に危険なので気をつけてください!
タバコを誤飲した時に現れる主な症状
タバコを誤飲した時に現れる主な症状をご紹介していきます。
- 吐き気・嘔吐
- 下痢
- 顔面蒼白
- めまい
- 呼吸が早くなる
胃の中ではタバコからニコチンが溶け出すのに時間がかかるので、だいだい誤飲して10分~60分くらいで最初に嘔吐が始まると思います。その他の症状が2~4時間以内に現れるので、個人で出来る処置をした後なるべく早く病院へ受診してください。
もし4時間以上たっても症状が現れない場合は症状が現れることはほとんどないです。しかし、1日経つまでしっかり様子を観察してください。なにか異変があればすぐに病院へ連絡してください。
タバコを誤飲した時に現れる重篤な症状
あまり重篤な症状がおこることはないと言いましたが、急性ニコチン中毒の重篤な症状が現れた場合は以下の症状が30分以内に現れます。
- 意識障害
- 全身けいれん
- 初期に過呼吸、その後に呼吸停止
もし上記の中毒症状が現れた場合は、死亡してしまう可能性があります。すぐに救急車を呼んで指示を仰いでください!
救急車を呼んでいいか分からない時の相談先について
食べてしまった本数的に、致死量ではなさそうだけど苦しんでいる。そんな時、救急車を呼んでいいのか分からず困ってしまう方も多いと思います。
そんな時は、【#7119】へ電話してみてください!救急相談センターにつながるので相談することができます。
ただこの相談窓口には注意して頂きたい点があります。それは、まだ全国で対応していないことです。【#7119】が対応外の地域にお住まいだった方は、似たような相談窓口が全国にあるのでお住まいの地域の相談窓口を検索して利用してみてください。
救急車を呼ぼうか迷っている間に症状が悪化してしまうと大変ですし、何よりも専門の人に相談できるので心強いと思います!
誤飲した場合の対処法はどうしたらいいのか?
タバコを誤って食べてしまった!子供だけでなく大人にもそんな時が来るかもしれません。突然そんな時が訪れたら誰でも慌ててしまうと思います。
しかし、前もって対処法を知っていたら冷静に行動できることもあると思うので、対処法についてご紹介していきます。
タバコを誤飲した場合に個人で出来る対処法
- まず口の中に入っているタバコをかきだして、体勢をうつ伏せにして頭を低くしましょう。
- 次に喉の奥に指を入れて、舌を押し下げて嘔吐を誘発させてください。
- どのくらいの本数を食べたのか、慌ててタバコを捨ててしまう前に確認してください。(病院で見てもらうときに問診で聞かれます。)
- 手には、まだタバコや灰が付着しているので、子供の場合は手もしっかり石鹼などを使ってキレイに洗ってあげてください。
できるだけ吐かせることが大切です。だからといって無理に吐かせると気管に入ってしまい誤嚥を起こしてしまう危険性もあるので注意してください。
また、吐かせるために水や牛乳などは飲ませないでください。水分を飲ませてしまうと、逆にニコチンが溶け出しやすくなって吸収が促進されるので危険です!
病院でおこなう診察や治療はどんなこと?
突然のことでパニックになりながら病院に行くことになると、詳しい状況説明など聞かれた際に困りますよね?
次は病院でどんなことを問診されて検査されるのかご紹介していきます。
病院での問診はどんなことを聞かれるの?
主に以下の事を詳しく聞かれることになると思います。
- タバコを誤飲した時間帯、その時の状況
- 吐き出すことが出来たかどうか
- タバコそのものを食べてしまったのか、浸出液を飲み込んでしまったのか
- 誤飲したタバコの本数
もし吐き出したものを捨てていなければ、病院へ持って行っても先生の判断材料になるのでいいと思います。
病院で行われる治療はどんなことをするの?
最近の治療法では、致死量に満たない場合は何も処置を行わず様子見になるようです。
ただ、中毒症状が酷く現れていると判断された場合は、胃洗浄や活性炭などの投与が行われます。
最も重症で危険性高いと判断された場合は、人工呼吸器や循環補助薬などを使用して集中治療されることもあるようです。
危険なタバコの誤飲!大人と子供で致死量の本数は変わるの?まとめ
- 大人と子供では致死量になる本数は違う。
- タバコそのものより、水に溶けた浸出液を誤飲するとすぐに致死量に達するので最も危険で怖い!
- 誤嚥してしまった場合なるべく吐かせる。(吐いた本数は覚えておく)
大人と子供が致死量になるタバコの本数と危険なタバコの誤飲についてご紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?
大人も子供も致死量になる本数は違っても、急性ニコチン中毒になると怖いという事を知っていただけたかと思います。
最もタバコを誤飲しやすいのは、ジュースなどの空き缶を灰皿代わりにして浸出液になってしまった物を飲んでしまうので、なるべく灰皿は他のもので代用しないようにしてくださいね!