タバコから排出される煙には約200種類以上の有害物質が含まれていることを知っていましたか?
代表的な「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」以外にも発がん性物質を、たくさん含んでいるのが「タバコ」です!
そこで今回は、タバコを吸った時に摂取される「ニコチン」が体から消えるまでの時間や今後、喫煙すると体内はどうなってしまうのか?をまとめました。
タバコの煙に含まれる三大有害成分とは?
タバコは化学物質が4000種類も含まれており、その内の200種類以上は体に悪影響を及ぼす有害物質です。そして200種類以上の内の70種類以上は、発がん性物質となっています。
タバコ1本吸い終わるのに大体5分程ですが、5分の間に200種類以上の有害物質と70種類以上の発がん性物質を、周辺にまき散らしていると考えるとタバコって怖いですね…
そしてタバコの煙に含まれる「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」は三大有害成分として代表的な有害物質です。
これら3つの有害物質は、体にどの様に悪影響を及ぼし、他にはどんな物質が含まれているのか気になりませんか?
タバコの煙に含まれる三大有害成分「ニコチン」
ニコチンの依存性は高く、摂取し続ける事でタバコがやめられない「ニコチン依存症」となってしまう原因でもあります。
しかし日本では、医薬品として使われる事もありますが、医薬品以外で使用する以外は「毒物」と指定されています。
ニコチンには血管を収縮させる効果があるので、血液の流れを悪くし動脈硬化を起こしやすくなってしまいます。
タバコの煙に含まれる三大有害成分「タール」
タールはタバコのヤニとも呼ばれています。長く吸っている喫煙者の歯が黄色く黄ばんでいるのも、部屋の壁紙が段々と茶色く黄ばんでくるのもタール=ヤニが原因です。
ヤニは、植物の樹脂からできているので、特徴はネチョネチョしていて臭いがキツイ事が挙げられます。
そしてタールには、発がん性物質の中でも有名な「ベンツピレン」「NNK」「アミン類」を含んでおり、その他にも、70種類以上もの発がん性物質を含んでいます。
タバコの煙に含まれる三大有害成分「一酸化炭素」
タバコの煙に約1%~3%ほど一酸化炭素は含まれています。人間の体は、酸素とヘモグロビンが結合し、赤血球により全身に酸素が運ばれますが、一酸化炭素は通常の酸素よりもヘモグロビンと200倍以上も結合しやすくなります。
一酸化炭素ヘモグロビンが血液の中を占めてしまうと、通常の酸素とヘモグロビンの酸素運動能力が低下し、酸欠状態に陥りやすくなります。
こういった理由から一酸化炭素は、血管の動脈硬化の原因とも考えられています。
タバコの煙に含まれる化学物質とは?
タバコの三大有害成分について説明しましたが、タバコには他にも有害な化学物質が含まれています。
こちらでは、三大有害成分以外にタバコの煙に含まれている化学物質についても、簡単に説明していきます。
ニコチンやタール、一酸化炭素以外にも「えっ!こんな物質が入っていたの?」とビックリしてしまうかもしれませんよ?
タバコの煙に含まれる化学物質「ヒ素」
ヒ素は、身近な用品で説明すると「アリ殺虫剤」に含まれている化学物質です。殺虫剤に使用されているので、もちろんヒ素も有害物質となります。
そして発がん性もあり、発がん性リストでは最もリスクが高い部類に分類されています。
中毒性もあり、過去に毒物カレー事件、粉ミルク事件に使用され、ヒ素中毒者が続出し高い注目を集めました。
タバコの煙に含まれる化学物質「アセトン」
マニキュアを取る除光液、ペンキ除去剤にも使用されている「アセトン」は、大量に吸ってしまうと意識を失う事例もある有害物質です。
通常は液状で、引火性も高く胎児へ悪影響の恐れがある物質に分類されており、原液を摂取、吸引してしまうと低度の毒性があることも認識されています。
タバコの煙に含まれる化学物質「カドミウム」
この「カドミウム」は、主にカーバッテリの材料として使われており、亜鉛族元素の1つに分類されます。
カドミウムは、過去に環境汚染によって発症した「イタイイタイ病」の原因の1つでもありますが、発がん性物質及び肺気腫の原因物質でもあります。
そして、金属性物質の中でも極めて強い毒性を持っています。
ニコチンが体から消えるまでどれ位の時間が掛かる?
タバコの煙に含まれている有害物質について説明しました。
タバコの煙を吸ってしまうと、体に悪影響を及ぼす有害物質がこんなにも入っていたなんて、皆さん驚きの結果ですよね?
続いては、タバコに含まれるニコチンが、体から消えるまでに掛かる時間を見やすく表でまとめました!
〇〇時間禁煙すると体内の変化は?
禁煙作用 | 体内効果 |
---|---|
1分禁煙 | タバコによるダメージから体の機能が回復しようとする。 |
20分禁煙 | 高くなった血圧が下がり始める |
8時間禁煙 | 血液中の一酸化炭素が正常近く戻り、運動能力が回復。 |
24時間禁煙 | 心臓発作を起こす確率が下がり、肺に溜まった汚れが消え始める。 |
48時間禁煙 | 体中のニコチンが完全に抜ける。 |
72時間禁煙 | 呼吸が軽くなり、肺活量が増加する。 |
作用時間わずか1分で体は、タバコによるダメージから回復しようと働きだすとは優秀ですね!
しかし、ニコチンが体から抜け始めると禁断症状で「イライラ」や「タバコが吸いたい欲求」にかられてしまうので、またニコチンを体内に入れてしまいを繰り返してしまいます。
次は年月単位でまとめてみました!
〇〇年禁煙すると体内の変化は?
禁煙作用時間 | 体内効果 |
---|---|
2週~3週禁煙 | 血液がスムーズに流れ始め体が楽になる。 |
1ヵ月~9か月禁煙 | 咳や痰が無くなり体力が戻り始める。 |
5年禁煙 | 肺がんになる確率が、喫煙者より半分も減少する。 |
10年禁煙 | 前がん状態の細胞が修復し始め、様々ながんになる確率が非喫煙者と同じになる。 |
喫煙者にとっては、1ヵ月まで禁煙するのが至難の業かもしれません。
1ヵ月禁煙出来たら後1ヵ月、もう1ヵ月と1ヵ月単位で伸ばしていくと気分も楽で禁煙成功しやすくなるかもしれませんよ!
そして禁煙して5年後となれば体内の変化も実感しやすくなり、体の中では着々と効果時間が持続し、健康な体になり始めています。
喫煙し続けると体はどうなる?
次は、喫煙し続けると体にどういった悪影響を及ぼすのかについて説明したいと思います。
上記でも説明した通り「肺がんになりやすい」「心臓発作を起こしやすくなる」確率が、非喫煙者に比べ格段と上がってしまいます。しかし、他にも体に及ぼす症状はたくさんあります。
タバコを吸い続けると寿命に関係する?
タバコが吸える20歳以前に喫煙してしまうと日本人男性の場合、寿命が約8年短くなってしまい、女性に関しては約10年も短くなってしまうと言われています。
さらに肺がんのリスクが高まると思っている人も多いと思いますが、肺がん以外のほとんどの「がん」へのリスクが高まります。
脳卒中、心筋梗塞、肺気腫、糖尿病、消化器官の病気、歯肉炎とがん以外の病気にもなる確率が、非喫煙者より上がるとされています。
喫煙女性は男性より至る所で悪影響が出る?
女性は喫煙し続けることで、閉経が早まってしまいます。さらに骨量が減少し骨粗しょう症になりやすくもなります。
他にも女性にとっては美の大敵でもある、そばかす、シミ、肌荒れを引き起こしやすくなってしまい、体内以外にも外見に悪影響を及ぼしてしまいます。
女性の場合、妊娠することも考えると早産や自然流産のリスクも高まり、出産時の出血が止まりにくくなるとも立証されています。
禁煙するとメリットがたくさん?
今まででは、タバコの煙に含まれる成分や体からニコチンが消えるまでの時間や効果時間を説明してきました。
次に禁煙するとたくさんのメリットがあることを紹介していきたいと思います。
禁煙するつもりが無くても今から紹介するメリットを見て、少しでもタバコの本数を減らし、健康な体になる一歩を歩んでみませんか?
禁煙メリット「早期死亡のリスクが減る」
上記のニコチンが体から消えるまでの表を見ても分かるように、がんや心臓発作のリスクが低下します。
早く禁煙すればするほど寿命は、取り戻すことが出来るので、病気で早く死ぬリスクも減らすことが可能となってきます。
30代・40代で禁煙すればタバコを吸う前の余命が取り戻せ、50代で禁煙すると約6年。60代で禁煙すると3年ほど寿命を伸ばすことが出来ますよ!
禁煙メリット「タバコ代が浮く」
タバコをやめて健康の次に嬉しいメリットと言えば「タバコ代が浮く」ことかと思います。年々価格が上がるにつれて経済的負担も大きくなってきていますよね?
今のタバコの価格は1箱500前後しますが、1日半箱吸ったとしても1ヵ月で約7500円、1年間で約9万もタバコに費やしていることになります。
禁煙することで今までタバコに費やしていたお金が浮くので、貯金、趣味に当てる事が出来ます。
禁煙メリット「糖尿病合併症予防できる」
糖尿病の人がタバコを吸うと糖尿病治療の妨げになったり、脳梗塞、糖尿病性腎症などの合併症リスクが高まる事が研究結果で判明しています。
また今現在、糖尿病でなくても喫煙し続ける事で将来、糖尿病になりやすく、タバコの吸う本数が多ければ多いほど、糖尿病になるリスクが高い事が報告されています。
ニコチンが体から消えるまでの時間やタバコの有害成分のまとめ
- タバコ煙には三大有害成分以外にも有害な物質が含まれている
- 禁煙すると体内の作用効果は1分から始まる
- 禁煙すると様々なメリットがある
タバコの煙に含まれる有害成分には、代表的なニコチン・タール・一酸化炭素以外にも有害とされている物質が多く入っていることやニコチンが体から消えるまでどれくらい?を説明しましたがどうでしたか?
1分禁煙するだけで、私たちの体はニコチンによるダメージを回復しようと働き始めるのは、意外にも驚きの事実だったことでしょう。
今すぐ禁煙とまではいかないかもしれませんが、少しは喫煙し続けると今後どうなってしまうのか明確にする事が出来たのではないですか?
自力で禁煙することに自信が無い方は、禁煙外来で診療してもらうのも一つの手ですね!