※2021年2月1日更新
日本国内では、加熱式タバコ『IQOS(アイコス)』を使用する喫煙者が急増中。紙巻きタバコに最も近い強い吸い応えの加熱式タバコとして人気がありますよね。
そんなアイコスのニコチンやタールの含有量を調査した結果、アイコスのニコチンによる健康被害は紙巻きタバコと同等という事が分かりました。
この記事では、アイコスのマールボロヒートスティックやヒーツのニコチン量とタール量は何ミリなのか?を解説、加熱式タバコとも比較していきます。
目次からササッとチェック
IQOS(アイコス)にはニコチン・タールが含まれている

結論から言うと、アイコスはニコチンもタールも含まれた加熱式タバコです。
アイコスユーザーをはじめとする加熱式タバコ利用者の中には、加熱式タバコに「ニコチン」が含まれていることを知っていても「タール」は発生していない!と思っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、様々な研究結果から「アイコスからタールが検出」されていることも事実。タバコ葉を使用しているデバイスだからこそ、加熱時に少量ながらにタールは発生しているんですね。
アイコスを加熱した時に生じる独特な臭いも、タールの発生が原因とも言われています。また、加熱式タバコには確率された測定方法が定まっていない為、ニコチンとタールの含有量の記載義務がありません。
各IQOS(アイコス)のニコチンの含有量を解説!
加熱式タバコのアイコスにはニコチン量とタール量の記載の義務がないからといっても、やはりどれだけの含有量なのか気になっている方が大半だと思います。
まずは、アイコスのエアロゾルに含まれるニコチンの含有量は何ミリなのかを解説していきます!
アイコスのエアロゾルに含まれるニコチン量は何ミリ?
まずは、アイコスのエアロゾルに含まれるニコチンの含有量をPMIの研究成果を元に解説していきます。
成分 | レギュラーフレーバー | メンソールフレーバー | 実験用標準紙巻きタバコ |
---|---|---|---|
パフ(吸引)回数 | 12 ± 0 | 12 ± 0 | 10.6 ± 0.4 |
水分 | 36.5 ± 3.1 | 29.7 ± 3.6 | 15.8 ± 2.9 |
グリセリン | 4.63 ± 0.83 | 3.94 ± 0.87 | 2.42 ± 0.14 |
メンソール | × | 2.62 ± 0.1 | × |
ニコチン | 1.32 ± 0.16 | 1.21 ± 0.09 | 1.89 ± 0.16 |
アイコスで発生するエアロゾル(蒸気)内の成分と紙巻きタバコの煙に含まれる成分を比較した結果が上記です。
ニコチンの含有量に関しては、紙巻きタバコよりも少ないもののしっかりと含まれていることが分かりますね。アイコスの喫煙感が紙巻きタバコに近いと言われている理由とも取れる結果になっています。
- レギュラーフレーバーのニコチン量:1.32mg
- メンソールフレーバーのニコチン量:1.21mg
- 標準の紙巻きタバコのニコチン量:1.89mg
アイコスの主流煙に含まれるニコチン量は何ミリ?
第三者機関のデータとして、スイスのAuer氏らが2017年のJAMA internal medicineに発表した論文の研究結果では、アイコスと紙巻きタバコの主流煙に含まれるニコチンを比較しています。
成分 | アイコス | ラッキーストライク | 比率(%) |
---|---|---|---|
ニコチン(μg) | 301 | 361 | 84% |
このことからも、アイコスに含まれるニコチン量は従来の紙巻きタバコの84%とほとんど変わらないことが分かります。
マールボロヒートスティックに含まれるニコチン量は何ミリ?
国立保健医療科学院生活環境研究部の研究グループから発表された論文には、マールボロヒートスティックに含まれるニコチン量の研究結果がまとめられていたのでその資料を元に解説していきます。
ニコチン量(mg) | アイコス レギュラー |
アイコス メンソール |
標準タバコ 高タール製品 |
標準タバコ 低タール製品 |
---|---|---|---|---|
タバコ葉1g中 | 15.7 ± 0.2 | 17.1 ± 0.6 | 19.7 ± 0.2 | 15.9 ± 0.3 |
タバコ1本分中 | 4.7 ± 0.1 | 5.1 ± 0.2 | 15.0 ± 0.1 | 8.7 ± 0.1 |
この研究結果からもわかるように、アイコスの各フレーバーのタバコ葉1g当たりに含まれるニコチンの含有量は紙巻きタバコと変わらない結果になっています。
タバコ1本分に換算すると少ないように思いますが、喫煙量が増えれば紙巻きタバコ同様に健康被害のリスクが高まるでしょう。
ヒーツのエアロゾルに含まれるニコチン量は何ミリ?
ヒーツのエアロゾルに含まれるニコチンの含有量を調査してみましたが、確かな事は分かりませんでした。
しかし、マールボロヒートスティックとヒーツはそれぞれ吸い応えが違い、ヒーツよりもマールボロヒートスティックの方が吸い応えが強いと言われているので、マールボロヒートスティックよりもヒーツの方がニコチン含有量が多いという事は絶対にありません。
なので、ヒーツはマールボロヒートスティックよりもニコチン含有量が少ないと考えて良いでしょう。
各IQOS(アイコス)のタールの含有量
加熱式タバコアイコスのマールボロヒートスティックやヒーツに含まれるニコチンの含有量を紹介したところで、タールの含有量に関しても同じように解説していきます。
第三者機関のタール量のデータを解説
イギリスのオックスフォード大学出版局の医学雑誌に中国の検査機関が提出した論文にアイコスのタール量に関する研究結果が発表されているので、この論文を元にアイコスのタール量を解説していきます。
なお、タールの調査基準についてはガスクロマトグラフィー質量分析法等により、ISO規格とカナダ保健省のHCIを使用しているようです。
成分 | アイコス | 紙巻きタバコ |
---|---|---|
タール(ISO) | 7.47mg | 7.98mg |
タール(HCI) | 16.6mg | 25.5mg |
分析方法によって検出結果は異なっているようですが、タールが発生していることは明らかですね。
ISO規格では紙巻きタバコとほぼ同等のタールが出ているので、この研究結果が正しいものであればアイコスは紙巻きタバコと同様に健康被害のリスクがある製品だという証明になりそうです。
マールボロヒートスティックのエアロゾル、主流煙のタール含有量
国立保健医療科学院生活環境研究部の研究グループから発表された論文に、マールボロヒートスティック1本分のエアロゾル、主流煙に含まれるタール量の研究結果もまとめられていたので解説していきます。
成分 | アイコス レギュラー |
アイコス メンソール |
標準タバコ 高タール製品 |
標準タバコ 低タール製品 |
---|---|---|---|---|
タール | 9.8 ± 3.0 | 13.4 ± 2.2 | 25.2 ± 1.5 | 19.2 ± 1.3 |
一酸化炭素 | 0.44 ± 0.04 | 0.43 ± 0.04 | 33.0 ± 1.8 | 29.7 ± 1.7 |
このように、様々な第三者機関でアイコスからタールや一酸化炭素などの有害性成分の含有量が公開されています。
紙巻きタバコと比較すると少量ですが、アイコスからタールや一酸化炭素などの有害性物質が発生していることは間違いないようです。
■ヒーツのエアロゾル、主流煙のタール含有量
ヒーツのエアロゾル、主流煙のタール含有量は、ニコチンの含有量同様マールボロヒートスティックよりも少し少ないくらいかと予想されます。
少しでもニコチンやタールによる健康被害を抑えたい方には、アイコスのヒートスティックの中でもヒーツがおすすめです。
IQOS(アイコス)の有害性成分が9割低減って本当なの?
ここまで、各IQOS(アイコス)のタールの含有量などについて詳しく解説しましたが、まだアイコスの有害性成分9割低減って本当なの?と思う方もいるのではないでしょうか?
最後は、アイコスの有害性成分が9割低減しているのか?や日本で販売されている加熱式タバコとアイコスのニコチンとタールの含有量を比較していきます。
アイコスの有害性成分9割低減は本当だった
アイコスは、国際公衆衛生機関(WHO)が優先的に削減を定める9種類の有害性成分を紙巻きタバコと比較して平均95%低減していると公言しています。
誰でも分かりやすいように、どの有害性成分がどれだけ低減しているのかまとめてみました!
- アセトアルデヒド 14.0%
- ホルムアルデヒド 9.7%
- アクロレイン 7.3%
- ベンゾ[a]ピレン 7.0%
- ベンゼン 0.6%
- 1,3-ブタジエン 0.4%
- 一酸化炭素 1.6%
- NNK(4-1-3-1-ブタノン) 2.5%
- NNN(ニトロソノルニコチン) 5.5%
アセトアルデヒドの低減率だけ14%ですが、他の有害性成分の低減率は10%以下なので平均して95%程度有害性成分を低減していることが分かりますね。
なお、9種類の有害性成分に「タール」は含まれていないことに気づきましたか?アイコスに含まれるタールは紙巻きタバコと比べて低減しきれていないのかもしれません。
アイコスを開発しているフィリップ モリス インターナショナル(PMI)の研究開発センターの研究結果でもタール量に関しては公表されていないのは何か訳があると考えられます。
アイコスと他の加熱式タバコ・紙巻きタバコを比較
分析方法によって異なるので韓国の食品医薬品安全処で行われた加熱式タバコの研究結果を元にアイコス・プルームテック・グロー・紙巻きタバコのニコチンやタールなどの含有量を解説していきます。
成分 | アイコス | プルーム | グロー | 標準タバコ |
---|---|---|---|---|
ニコチン | 0.5 ± 0.0 | 0.03 ± 0.01 | 0.1 ± 0.0 | 0.8 ± 0.2 |
タール | 9.3 ± 0.9 | BDL | 4.8 ± 0.5 | 7.98 |
一酸化炭素 | 0.2 ± 0.0 | 0.340 | NQ | 29.7 ± 1.7 |
- NQ:分析方法による定量が可能な最小量のこと
- BDL:検出できる最少量のこと
いざ他の加熱式タバコとアイコスのニコチン・タール・一酸化炭素の含有量を比較してみるとアイコスはニコチンやタールの含有量が多いという印象です。やはり、加熱式タバコの中でも吸い応えが強いと言われているだけあって最も紙巻きタバコに近い数値です。
紙巻きタバコと比べるとアイコスのニコチン・一酸化炭素の含有量は少ないですが、タールの含有量はアイコスの方が多いとなるとタールによる健康被害は紙巻きタバコよりもあると考えた方が良いでしょう。
IQOS(アイコス)各フレーバーのニコチンとタール量の含有量まとめ
- アイコスにニコチン量・タール量も書かれていないのは記載の義務がないため
- アイコスのニコチンの含有量は紙巻きタバコとほとんど変わらない
- アイコスのタールの含有量に関しては不明瞭だが、少なからず発生はしている
いかがでしたか?加熱式タバコの中でも吸い応えが強いアイコスのマールボロヒートスティック・ヒーツのニコチンとタールの含有量は何ミリなのかをまとめてみました。
比較した結果、アイコスは紙巻きタバコと同様のニコチン量が含まれているので、ニコチンによる健康被害のリスクは紙巻きタバコと同等だと言えそうです。
また、アイコスでも発がん作用のあるタールは少なからず発生していることも様々な研究結果から分かっていますが、分析方法によってタールの含有量が異なります。
今後アイコスのタールの含有量が公表されるのかどうか分かりませんが、利用者が安心してアイコスを使用するためにも真相が知りたいところです。
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