令和になり、JTが紙巻きタバコよりも加熱式タバコのシェアを拡大していくことを表明して話題になりました。
それだけ「脱紙巻きたばこ」の時代に突入している証拠です。
そこでこの記事では、そもそも加熱式タバコとは?紙巻きタバコとはどのような違いがあるのか?できるだけわかりやすく紹介しつつ、加熱式タバコにするメリットとデメリットをおさらいしていきましょう。
加熱式タバコとは?紙巻きタバコの違いは?
紙巻きタバコとは、いわゆる昔から目にしている普通のタバコのことで、タバコの葉っぱを紙で巻いてフィルター加工をしたタバコのことです。
一方加熱式タバコとは、IQOS(アイコス)やグロー、プルームテックを代表とする、充電した本体にタバコのスティックを挿し込んで喫煙する新しい形態のタバコです。
では加熱式タバコとは具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
三つの観点から比較していきます。
①加熱の仕方の違い
紙巻きタバコと加熱式タバコでは、タバコの葉を温める温度に大きな違いがあり、そもそもどちらもタバコの葉を使用していることには変わりありません。
基本的には、どちらもタバコの葉を高温にすることで生じる成分を吸い込むことを目的としたアイテムです。
まず紙巻きタバコの方は、500度近くにもなる高温でタバコの葉を「燃焼」させますが、文字通り直接タバコに火をつけることで燃やしながら、煙を生じさせていますね。
一方加熱式タバコとは、じんわりとタバコの葉を「加熱」させることで、タバコに含まれる成分を楽しむもので、その加熱温度は高温のものでも350度ぐらいまでに留まっています。
したがって紙巻きタバコがモクモクと煙が出るのに対し、加熱式タバコの方は蒸気のようなものが口から出るだけで、一見すると喫煙をしていることが周囲にバレないような道具となっています。
②喫煙方法の違い
紙巻きタバコと加熱式タバコとは、喫煙に至るまでの過程にも大きな違いがあります。
まず紙巻きタバコの方は、タバコを取り出して口に咥え、先端に火をつけて吸い込むだけですぐに喫煙を行うことができます。
がしかし、加熱式タバコは紙巻きタバコのようにすぐに喫煙することができません!
スティックを加熱させるためのツールである本体を、事前に充電しておく必要があり、さらに吸う前に挿し込んだスティックを加熱させるための時間も毎回必要です。
このわずらわしさを解消するために、連続吸いが可能な加熱式タバコも発売されています。
とは言っても毎回加熱時間は必要なため、沈黙や気まずさを紛らすために吸いたい人にとっては、少々まどろっこしいものかもしれません。
③タールの摂取量の違い
加熱式タバコの方が、タールの体内への吸収量が少なくなります。
これは加熱時の温度に関係があります。
タールは高温になるほど発生しやすい成分で、加熱式タバコ程度の加熱温度ではタールが体に与える影響は、紙巻きタバコに比べて格段に少なくなるのです。
なおVAPEなどでおなじみの電子タバコは、加熱式タバコとはまた別なくくりになります。タバコの葉ではなくリキッドを使用していて、日本で販売されているものにはニコチンが含まれるリキッドは許可されていません。
加熱式タバコとは?5つのメリット
改めて、加熱式タバコとはなんなのか?
基本的な違いが分かったところで、なぜ昨今がここまで注目されているのか?
その秘密をメリットから探っていきます。
加熱式タバコのメリット①:煙の影響が少ない
タバコの葉を加熱させて喫煙する加熱式タバコは、煙の発生がほとんどありません。
したがって、周りへの影響も最小限に抑えることができます。
煙がほとんど出ない加熱式タバコとは、副流煙による健康被害を紙巻きタバコよりも抑えることができるのが最も大きいメリットです。
加熱式タバコのメリット②:タールの量の違い
加熱方法の違いにより体内に入り込むタールの量を、紙巻きタバコよりも抑えることができるのが二つ目のメリットです。
タールとはニコチンと並ぶ有害物質なので、どちらか一つを抑えることができるだけでもメリットがあることです。
加熱式タバコのメリット③:匂いを抑えることができる
嫌煙家が嫌がることの一つに、タバコ臭が挙げられます。
加熱式タバコには、この独特のタバコ臭がありません。
というのもタバコ臭の原因となる煙が発生しないので、衣類や髪の毛にタバコの匂いが残ることもなく、部屋の壁がヤニで変色してしまうこともありません。
加熱式タバコのメリット④:火を使わない
ライターやマッチの火を使わないで喫煙できることは、防火上でもメリットがあります。
特に子供がいる世帯では、できるだけ家の中に火の元を置きたくないもの。
さらに一昔前までは火事の原因のトップにきていた「タバコの火の消し忘れ」も、加熱式タバコの時代が到来してかなり軽減されています。
加熱式タバコのメリット⑤:スタイリッシュさ
紙巻きタバコにはかっこよさはありますが、見た目のスタイリッシュさに軍配が上がるのは加熱式タバコの方です。
各社様々なデザインが販売されていて、加熱式タバコとは別に関連のデコレーションツールも用意されていて、女性にとっても持ちやすいアイテムとなっています。
加熱式タバコのデメリット
メリットもあればデメリットもあるものですね。
この章では紙巻きタバコに比べて、加熱式タバコのデメリットについて紹介していきます。
加熱式タバコのデメリット①:充電や加熱時間が必要
紙巻きタバコに比べて、吸いたいタイミングですぐに吸うことができないのが加熱式タバコのデメリットです。
本体やポケットチャージャーへの充電があらかじめ必要ですし、スティックを挿し込んでから加熱する時間も考慮しなくてはいけません。
加熱式タバコのデメリット②:付属のツールが多い
ポケットチャージャーやUSBケーブルなど、充電に必要な付属品を持ち歩かなくてはいけないこともデメリットです。
その点、紙巻タバコに関してはタバコとライターを持ち運ぶだけなので、荷物の少なさは紙巻タバコに軍配があがりそうです。
加熱式タバコのデメリット③:メンテナンスが必要
加熱式タバコは、セルフメンテナンスが定期的に必要です。
スティックの挿し込み口に、タバコの葉が詰まることを防いだり、ヤニダレによる不具合を防ぐためです。
マメではない人にとっては、面倒な作業かもしれません。
加熱式タバコのデメリット④:故障が多い
加熱式タバコは繊細な機器なので、突然故障してしまうリスクを持っています。
メーカーによって保証期間内の無料交換なども行なっていますが、故障の多さから加熱式タバコとはならずに、紙巻きタバコに戻ってしまう人もいるようです。
加熱式タバコのデメリット⑤:タバコ感が少ない
「そもそも紙巻きタバコよりも物足りない」と感じる人は多いです。
というよりも、紙巻タバコから加熱式タバコに変えた大方の人は、そのように感じるでしょう。
慣れてくれば違和感も少なくなりますが、紙タバコ同等の「吸いごたえ」を求めることはできません。
加熱式タバコと紙巻きたばこのメリット・デメリットの違いまとめ
- 両者には加熱の温度に違いがあり、それによって生じる煙の量やタールの量に大きな違いがある(加熱式タバコの方が少ない)
- 加熱式タバコとは煙や匂いを大幅に軽減し、副流煙の被害を周りに与えることも少ない道具。火を使わないので安全
- 加熱式タバコとは充電や加熱時間が必要で、すぐに吸うことができない道具。 必要な道具も多いのもネックで、メンテナンスも必要
紙巻きタバコと比較しながら、加熱式タバコとはどんな道具なのか?メリットとデメリットを紹介してきましたが、加熱式タバコと紙巻きタバコで、値段やフレーバーの種類、健康被害について比較したい人もいるでしょう。
しかし、これに関しては両者に明確な優劣はありません!
加熱式タバコも故障のことを考えると、それなりの出費が必要になる時がありますし、今ではフレーバーの種類もかなり増えてきていますので、デメリットがあればメリットもあるという事です。
また、健康被害に関してもタバコの葉を使用していてニコチンが含まれている以上、加熱式タバコの方が害は少ないとは言え「100%体に良い」とは言い切れません。
いろいろと比較材料はありますので、改めてそのあたりの違いを考慮して、節度ある喫煙を楽しむようにしましょう!