喫煙者にとっても敷居が高いのが葉巻です。
葉巻はお金持ちが特別な場所で吸っているイメージがあり、素人はなかなか手を出しにくいイメージもあると思いますが、実際のところ私達はどれだけ葉巻のことを知っているでしょうか?
そこでこの記事では、紙巻きたばこと葉巻の税金の違いや、健康被害の度合いについて詳しく比較していきましょう。
葉巻に興味のある人は必見です!
紙タバコと葉巻の税金の違い

日本で紙タバコと葉巻に課せられている税率は実は同じなんです。
しかし紙タバコが一本当たりで税金が計算されるのに対し、葉巻はグラム単位で税金が計算されるのが大きな違いです。
平成31年JTから公表されているタバコの税率は、62.6%。(令和2年10月からさらに上がる予定)
そして葉巻やパイプタバコは1gあたりを一本と換算して税金計算されます。
ちなみに1gってどのぐらい?というと、市販されている紙タバコ一本あたりのグラム数が1gなんです。
つまり紙タバコにグラム数を合わせて税金計算されているというわけですね。
紙タバコと葉巻ではどっちが得なのか?
税金だけで考えればグラム数に対する税率は全く同じなので、どちらにも軍配は上がりません。
ただし標準的な価格を見ると、圧倒的に葉巻の方が高級品なので、「ニコチン依存を解消する目的」であれば、紙タバコの方がトータルでかかるお金は少ないです。
しかしそもそもが、紙タバコと葉巻を吸う人では目的に違いがあるため、一概に同じ土俵で損得を図ることはできません。
またなぜ紙タバコと違い、葉巻が1g単位で税金が計算されるかと言うと、ご存知の通り葉巻には様々な大きさがあり、詰め込もうと思えば1本のシガーの中にギュウギュウに葉を詰め込んで税金を免れることができるためです。
あくまでもタバコの税金は、完成品の単体で計算されるのではなく、中に詰められている葉っぱの分量が基準になっていることを覚えておいてください。
※ちなみに今人気の電子タバコや加熱式タバコにも、グラム単位で同等の税率が加算されます。したがって税金だけを比べて、どの製品が得か?という違いは生まれませんね。
紙タバコと葉巻の吸い方の違い

紙タバコは肺の中まで勢いよく煙を入れるように吸い込むことが一般的な吸い方で、葉巻は口の中で煙をくゆらす方法が基本です。
したがって吸い込むことでニコチンが体に染み渡り、依存症の欲求を満たしてくれるのは紙タバコの方。
一方で葉巻は、口の中でくゆらせながら香りや味を舌で楽しむためにあります。
この違いを知らないで葉巻に手を出してしまうと、とんでもなくむせてしまい「やっぱり自分には葉巻はムリ!」となってしまいます。
特に葉巻は海外のマフィアが吸っているイメージで、刺激が強いという印象もありますよね?
しかし実際には葉巻を吸う人は、口の中で煙をくゆらすことで、チョコレートを楽しむのと同じ感覚で喫煙を嗜んでいるのです。
葉巻にはフィルターがない!
紙タバコと葉巻の吸い方の違いを如実に表しているのが、フィルターの有無です。
紙タバコには口にくわえる部分にフィルター加工がされていて、葉っぱの中に含まれているニコチンやタールがダイレクトに体内に入らないよう、ろ過されるように製造されています。
しかし同じくニコチンが含まれた葉っぱが詰まっている葉巻にフィルターがないのは、そもそも葉巻が肺まで吸い込むような吸い方をしない違いにあるからです。
葉巻は火をつけてもすぐに吸えない!
もう一つ紙タバコと葉巻の大きな吸い方の違いは、火をつけてから吸い始めまでの時間に差があることです。
ご存知の通り紙タバコは火をつけてすぐに、一吸い目から喫煙を楽しむことができます。
しかし葉巻は、先端を遠火でまんべんなく焦がしながら、ゆっくりとタバコの葉っぱを燻していく作業が必要です。
当然普通のライターではうまくいかず、また葉巻の種類によっては自分で吸い口をカットする必要があり、 そのため街中や普通のお店で吸うことができない種類のタバコというわけですね。
紙タバコと葉巻の健康被害の違い

それぞれ本来の目的に合った吸い方をしている場合、実際に健康被害が少ない方は葉巻の方です。
これには以下の3つの理由があります。
葉巻は肺まで煙を入れていない
前の章で述べたように葉巻は「口腔内喫煙」が基本なので、タバコで健康被害をもたらすタールやニコチンの影響を体内に取り入れる量が少なくなります。
ただし中には葉巻の煙を体内まで吸い込む吸い方を楽しんでいる人もいます。
そのような場合は、当然健康被害が大きくなることを覚えておいてください。
葉巻は喫煙回数が少ない
キューバなど葉巻文化が主流になっている国では、街中のあちこちで葉巻を吸っている姿を見かける事があるでしょう。
しかし葉巻文化が定着していない日本では、吸える場所も限られているため、必然的に葉巻派の喫煙するタイミングは少なくなります。
また葉巻ユーザーにはニコチン中毒になっている人が少ないため、一本の葉巻を特別な時に大切に吸う人が多いです。
このようなことから、タバコによる健康被害が少ないのは葉巻派に多いです。(タバコと葉巻を併用している人の健康被害は別問題ですが…)
葉巻は副流煙被害も最小限
タバコの健康被害で問題になっているのは、喫煙者以外への副流煙による健康被害です。
最近では禁煙や分煙の流れが徹底されているので、どこでも吸えた昔に比べて副流煙による健康被害は改善されてきています。
それでも未だに街にはくわえタバコをしている人がいて、飲食店では禁煙ゾーンにタバコの煙が漂ってくることも少なくありません。
家庭内では誰かがタバコを吸うことによる健康被害は、避けることができませんね。
しかし葉巻は、ごくごく限られた特別な場所でしか日本では吸うことができないので、副流煙による健康被害をかなり限定することができます。葉巻を吸う敷居の高さが、世の中の健康被害を最小限に抑えています。
以上の3つの理由から、総合すると葉巻の方が世の中全体の健康被害を抑えることができていると言えます。
ただし、口の中でくゆらす葉巻には口腔癌になるリスクが高く、喫煙を重ねるごとに少なくとも肺に煙が入っていく量も蓄積されていきます。
タバコそのものに含まれる健康被害には大差がないということを付け加えておきます。
紙タバコと葉巻の味の違い

味を楽しむバリエーションの多さは、圧倒的に葉巻の方にあります。
一般的な紙タバコは大まかに分けて、普通のタバコとメンソールの2種類ですが、葉巻は本来フレーバーの違いを楽しむものなので、ブランドや銘柄によって実に様々な味が用意されています。
しかしこれらの味の違いがわかるのは、葉巻を永く愛用して達する域かもしれませんね。
「フルーティーな」「チョコレートのような」「スモークが効いた」「ナッツのような」など、ワインのように解説できるようになるのは、上級者の葉巻スモーカーでしょう。
紙タバコと葉巻の税金や健康被害の違いまとめ
- 紙タバコと葉巻の税率は同じ。ただし紙タバコは一本あたり、葉巻は1gあたりで計算される
- 紙タバコは肺まで煙を吸い込み、葉巻は口の中で煙をくゆらす吸い方が基本。「ニコチンを楽しむ」のと「味を楽しむ」の違い
- 体内まで煙を吸い込んだ時の健康被害は両者で変わらず。ただし吸い方の違いから、実際にニコチンの被害が深刻なのは紙タバコの方
紙タバコと葉巻の基本的な違いについて紹介してきました。
要点をまとめると、上記の3つになります。
健康被害の面など、意外に思うことも多かったのではないでしょうか?
ただし吸い方や吸える場所、お金のかけ方においても葉巻の方が敷居が高い事実は否定できません。
しかし紙タバコでニコチン中毒になっている人は、その分かけているお金を葉巻にスイッチして、新しい上質な楽しみ方をしてみるのも1つの大人の嗜みになるかもしれませんよ。