近年では、世間の禁煙ブームや健康志向が大きく影響してか、人々の「たばこ離れ」が進んでいます。
喫煙者にとっては肩身の狭い思いをすることも多いのではないでしょうか?
この記事では、改めて「紙巻きたばこ」と「加熱式タバコ」と「電子タバコ」の、それぞれのメリット・デメリットを紹介していきますので、タバコの必要性について今一度考えていきましょう。
紙巻きタバコのメリット・デメリット

「100害あって1利なし」と懸念されることが多い紙巻きたばこですが、紙巻きたばこが身体に悪いと思っていてもなかなか禁煙できない…と思っている喫煙者も多いのではないでしょうか?
ここでは紙巻きたばこのメリットとデメリットをまとめてみましたので、自分にも当てはまるかどうか考えてみてくださいね。
紙巻きたばこのメリットとは?
まずはここで、紙巻きたばこのメリットを考えていきましょう。
喫煙姿がかっこいい
紙巻きたばこの最大の魅力は、たばこを吸っている姿がかっこいいということではないでしょうか?
たばこは大人の嗜好品であることから「色気がある」「男らしい」などのイメージが強いですし、実際に映画やドラマ・小説・漫画などでもタバコの喫煙シーンは良く描かれていますよね。
男性のたばこを吸う姿が好き、という女性も一定数存在しますので、紙巻きたばこのメリットといっても良いでしょう。
コミュニケーションツールになる
「タバコミュニケーション」という言葉を耳にしたことはありませんか?非喫煙者にとっては聞きなれない言葉かもしれませんが、喫煙者にとっては馴染みのあるものです。
たばこを吸う人の楽しみとして、喫煙者同士のコミュニケーションを大事にしたり、喫煙所が交流の場になったりすることもメリットだと考えることができますね。
また、休憩時間や飲み会でもたばこを通して喫煙者同士の距離が縮まることも。
ストレス解消になる
意外と知られていない事実として、たばこに含まれる「ニコチン」にはストレスを緩和させたり、やる気を引き出すという作用があります。
ニコチンは、脳の側坐核(そくざかく)と呼ばれる部分を活性化させることで、脳の意欲を掻き立てることができる成分なのです。
そのため、喫煙することでストレスを解消できたり、やる気を出すことができるというわけなんですね。
気分が落ち着く
たばこには、落ち込んだ気分を整えたり、興奮を抑えるといった効果があるとされています。
波のある精神状態を一定に保つことができるのも紙巻きたばこのメリットと呼んでも良いでしょう。
喫煙者が「たばこが吸えなくてイライラする」してしまうのはこうした背景があるからなのかもしれません。
国の財源を助けている
たばこには「税金」がかけられており、たばこの価格の6割は税金が占めています。
一見デメリットに思える税金ですが、裏を返せば厳しい国の財源を助けているともいえますので、メリットとしてとらえるのはあながち間違いではありません。
紙巻きたばこのデメリットとは?
次に、紙巻きたばこのデメリットを紹介していきます。
有害物質が含まれている
紙巻きたばこには「ニコチン」と「タール」という成分が含まれており、有害物質であることで知られていますよね?
ニコチンには、精神状態を安定させるなどの効果がある反面、ニコチンへの高い依存性がデメリットとして挙げられます。喫煙者がなかなか禁煙できないのはニコチンによる依存が強く関係しています。
また、タールには発がん物質が含まれており、身体に様々な健康被害を及ぼす可能性が高いといわれています。
火傷や火事の危険性がある
紙巻きたばこは、直接火をつけることで初めて喫煙が可能ですよね?
火を使うということは、当然火傷や最悪の場合火事の恐れもあるということ。喫煙者が十分に気を付けていたとしても、些細なことがきっかけで事件や問題になることも考えられます。
これは、紙巻きたばこ最大のデメリットといっても過言ではないでしょう。
周囲に悪影響を及ぼす
紙巻きたばこに限った話ではありませんが、たばこを吸うことで周囲の人々に悪影響を及ぼします。
まず副流煙による受動喫煙ですが、非喫煙者でもたばこの煙を吸い込むことで喫煙者と同様の健康被害を受ける可能性があるといわれています。
また、紙巻きたばこの煙には独特の臭いがあり、非喫煙者にとっては非常に嫌悪感を抱くものであることは間違いありません。
加熱式タバコのメリット・デメリット

年々、紙巻きたばこから「加熱式タバコ」へと移行する喫煙者も多く、日本国内でもシェアを伸ばしていますよね。
なんとなく、紙巻きたばこよりもデメリットが少なそうなイメージが強い加熱式タバコですが、どんなメリット・デメリットがあるのかを紹介していきます。
加熱式タバコのメリットとは?
それではまず、加熱式タバコのメリットを解説していきます。
この記事での加熱式タバコとは、日本国内で発売されている「アイコス」「グロー」「プルームテック」の3種類を指しています。
健康上のリスクが低いといわれている
加熱式タバコとは、その名の通りタバコの葉を燃焼させるのではなく「加熱」することで、有害物質であるタールの発生を軽減させているというもの。
加熱式タバコ最大のメリットは発がん物質含んでいるタールを発生させないことで、紙巻きたばこよりも健康への影響が少ないといわれています。
しかし、これは科学的に証明されているわけではなく、あくまでタバコメーカー独自の見解でもあるため鵜呑みにするのは非常に危険でもあります。
受動喫煙の軽減
加熱式タバコから出る煙のようにみえるものは水蒸気で、燃焼が原因となる「タール」や「一酸化炭素」がほとんど発生しないとされています。
加熱式タバコの水蒸気にはほとんど有害物質が含まれていないこと、水蒸気はすぐに霧散するため空気中に残留しないことから受動喫煙の心配が少ないといわれている理由です。
しかし、受動喫煙に「安全なレベル」という定義は存在しないことや、健康被害が少ないということがまだ実証できているわけではありません。
臭いが抑えられている
加熱式タバコの煙は水蒸気であるため、紙巻きたばこ特有の煙の臭いも抑えています。
しかし、加熱式タバコにも独特の燻製のような臭いがありますので、無臭というわけではありません。
危険性が少ない
現在日本国内で発売されている加熱式タバコには「アイコス」「グロー」「プルームテック」3種類が存在します。
海外では電子タバコが流行していますが、たびたび電子タバコの発火や爆発などのニュースが流れてくることもあり、電子タバコに悪いイメージを持っている方もいるのではないでしょうか?
その点、国内で発売されているこの3つのメーカーは、信頼度も高く、保証制度が充実しているので安心して使用できるのがメリットといえるでしょう。
加熱式タバコのデメリットとは?
メリットを解説したところで、加熱式タバコのデメリットも解説していきます。
ニコチンは発生している
加熱式タバコは、タールや一酸化炭素の発生を抑えているとはいっても、有害物質の1つである「ニコチン」はしっかりと摂取しています。
ニコチン事態に発がん性がなくとも、高い依存性や血管の収縮、心拍数の増加させる作用があるため、深刻な病気や健康に影響を及ぼす可能性は秘めています。
現段階では、加熱式タバコの健康被害について不明瞭でもあるので「加熱式タバコは安全!」「健康被害が全くない!」と勘違いするのは危険です。
充電が面倒
加熱式タバコを使用するためには、専用のデバイスを使うことが第一条件です。
現在発売されている「アイコス」「グロー」「プルームテック」すべての加熱式タバコのデバイスは充電式のため、電池が切れてしまうと喫煙が不可能に。
外出時など、すぐに充電することができない環境だと面倒に感じてしまうこともしばしば。
手入れが面倒
さらに、加熱式タバコのデバイスはメンテナンスや手入れが必要になってきます。
メンテナンスや手入れを行っていると、タバコの味はもちろん、デバイスの故障にも繋がりますのでこまめに清掃が必要です。
デバイスの故障や不具合
加熱式タバコに必要不可欠なデバイスですが、電子機器であるため故障や不具合はつきものです。
慎重に取り扱っていたとしても、いつか寿命を迎えますし、絶対に壊れないという保証はどこにもありません。
手軽に吸うことができる紙巻きたばこに比べて、加熱式タバコは面倒に思えるデメリットが多いこともストレスに感じてしまうかもしれませんね。
費用がかさむ
紙巻きたばこを吸っていた喫煙者からすると、やはり加熱式タバコはデバイスを必要としますので初期費用がかかります。
また、加熱式タバコ専用のたばこも購入する必要があったり、言ってしまえば電気代もかかるので、喫煙の仕方によっては紙巻きたばこよりも費用がかかってしまう可能性は否めません。
電子タバコのメリット・デメリット

欧米では圧倒的に電子タバコのシェア率が高く、健康面を意識してか人気が高いです。
日本ではまだあまりなじみのない電子タバコのメリット・デメリットを解説していきます!
電子タバコのメリットとは?
まずは、電子タバコのメリットから見ていきましょう。
有害物質が発生ない
そもそも電子タバコとは、リキッド(液体)を使用して、その水蒸気を吸引する仕組みとなっています。
また、現在の日本の法律では液体のニコチンを販売することは禁じられているため、日本国内で販売されている電子タバコにはニコチンが含まれていません。
そのため、紙巻きたばこや加熱式タバコのように有害物質が発生することがなく、無害に近いともいわれています。
健康被害が少ない
電子タバコは、タールもニコチンも含まないリキッドを使用しているため、喫煙者はもちろん非喫煙者への健康被害がほとんどないといわれています。
また、主に含まれる成分は「植物性グリセリン」「プロピレングリコール」「香料」「精製水」などの、食品添加物として使用されているもので、過剰摂取しなければ身体に影響を及ぼす心配はないとされています。
フレーバーが豊富
電子タバコに必要不可欠なリキッドには、実に様々なフレーバーが存在します。
リキッドの味には「タバコ味」「メンソール味」「フルーツ味」「デザート味」など多種多様。これは電子タバコの最大の楽しみであり、メリットといえますね。
また、リキッドを組み合わせて自分好みのフレーバーを作ることができるのも大きな魅力です。
本体にも様々な種類がある
フレーバーの種類の多さはもちろん、電子タバコ本体の種類も沢山あるので「選ぶのが楽しい!」と感じている方も存在するようです。
電子タバコの本体の種類には大きく分けて2種類あり「リキッド充填式」と「カートリッジ交換式」に分けられます。
また、電子タバコの本体をカスタマイズできるデバイスが登場していることから、電子タバコには実にいろんな楽しみ方があるといえます。
臭わない
電子タバコは、有害物質を含まないリキッドを使用していること、煙のように見えるのはただの水蒸気であることから、タバコ独特の臭いが発生しません。
また、味がついているリキッドを使用することが大半なので、逆に良い匂いがするといわれることもあるようですね♪
禁煙するための第一歩として
電子タバコのリキッドにはニコチンが含まれていないこと、燃焼することで発生するタールや一酸化炭素などの心配もないことから、完全に禁煙を目指している方にも人気があります。
口がさみしい時や、煙を吸っている感覚が欲しいと考えている禁煙希望者にはメリットだらけといえそうです。
電子タバコのデメリットとは?
最後に、電子タバコのデメリットを紹介していきます。
安全性が確立されているわけではない
電子タバコの歴史は浅く、安全性の高い成分を使用しているとはいっても、完全にその安全性が実証されているわけではありません。
海外では電子タバコに関して賛否両論ありますし、議論されている問題でもあります。
現段階で、電子タバコには不明瞭な点が多いのも事実。これは電子タバコの大きなデメリットといえるでしょう。
手に入れにくい
日本国内では、電子タバコの普及はそれほど進んでいません。
そのため、電子タバコ専門店の数も少なく、基本的にはインターネット通販を利用することがメインとなるでしょう。
また、加熱式タバコと同様に、電子タバコ本体を購入する必要があるので初期費用はどうしてもかかってしまいます。
メンテナンスが必要なものもある
電子タバコは、定期的なメンテナンスが必要となりますし、交換するべき部品なども多いです。
メンテナンスや部品交換が苦にならなければいいのですが、やはり面倒だとデメリットに感じてしまう人も。
しかし最近では、使い捨ての電子タバコやメンテナンス不要の電子タバコが登場し始めていることもあり、デメリットが改善されてきているともいえますね。
海外製品が多い
まだまだ日本国内で電子タバコが流通していないことから、電子タバコの本体は海外製品がメインとなっています。
たびたびニュースでも取り上げられるように、海外では「電子タバコが爆発した」「吸引中に発火した」などの事件も起こっているようです。
また、電子タバコの粗悪品も多く出回っていることも事実であり、一部の質の悪い製品では毒性のある物質「ホルムアルデヒド」が含まれていると注意喚起がなされたこともあります。
物足りない
ニコチンもタールも入っていない電子タバコですから、タバコ独特の満足感を得ることは難しいかもしれません。
紙巻きたばこや加熱式タバコから移行された方にとっては少し違和感を感じることもあるようですし、電子タバコはまだまだ取っつきにくい部分が多いのもデメリットといえるでしょう。
紙巻きたばこ、電子タバコ、加熱式タバコのメリットデメリットまとめ
いかがでしたか?紙巻きたばこ・加熱式タバコ・電子タバコそれぞれのメリット・デメリットを紹介しました。
- 紙巻きたばこのメリットはストレス解消、デメリットは有害物質が健康を脅かす
- 加熱式タバコのメリットは健康上のリスクが少ない、デメリットは面倒な作業が多い
- 電子タバコのメリットは有害物質が発生しない、デメリットは不明点が多い
紙巻きたばこに比べ、加熱式タバコや電子タバコの健康被害は少ないとされていても、やはり科学的に証明されていないだけで何かしらの危険が潜んでいる可能性は十分にあります。
どのタバコにもメリット・デメリットは存在しますが、何より1番大事なことは、周囲に迷惑をかけずに楽しく喫煙することだといえそうですね。